東北森林科学会 第12回大会  

2007年度(平成19年度)

プログラム

と き : 2007年8月20日(月)〜21日(火)

ところ : 山形大学農学部(鶴岡市若葉町1-23)

主 催 :東北森林科学会
共 催 :日本森林技術協会東北支部連合会
後 援 :山  形  県

開催要領(MS-Word版)  開催要領(pdf版)


大会参加者の皆様へ

受 付

日時 8月20日(月) 午前9時より
場所 3号館 2階ホール
受付時に大会講演要旨集を配布致します。また,事前に参加費,懇親会費をお振り込み頂いていない方は,受付時にお支払いください。
大会参加費(当日)(要旨集代を含む) 2,500円
懇親会参加費(当日) 4,000円

総 会

 東北森林科学会及び日本森林技術協会東北支部連合会の総会を下記の通り行います。
日時 8月20日(月) 17:00 - 18:00
場所 301大講義室(3号館3階)

懇親会

日時 8月20日(月) 18:30 - 20:00
場所 東京第一ホテル鶴岡(鶴岡市市中通1-3-5)

編集委員会

日時 8月20日(月) 10:00 - 11:00
場所 農学部2号館リフレッシュルーム(5階)

理事会

日時 8月20日(月) 11:00 - 12:30
場所 農学部2号館リフレッシュルーム(5階)

昼食,宿泊等について

昼食は近隣のレストランやコンビニエンスストア等をご利用ください。宿泊につきましては,各自でご対応お願い致します。また,会場には十分な駐車スペースがございませんので,自動車でのご来場はご遠慮ください。

大会日程


テーマ別セッション

テーマA  8月21日9:00-11:30,201講義室(3号館2階)
東北地方における広葉樹人工林研究の現状と課題

 広葉樹人工林に関し,海岸林造成や荒廃地緑化,保育,生物害,樹形,成長特性など多様な観点から,各県の研究機関を中心に研究発表されてきました。しかし,針葉樹に比べて樹種数が顕著に多く,多様な目標林分が想定される広葉樹人工林造成に関して,どれだけ研究が進展し,いかなる研究課題が存在するのか,情報を整理・共有する機会は少ないです。本企画では,前半で公募した講演者から広葉樹人工林の研究事例を自由な観点から報告頂きます。多数の発表申し込みを期待します。後半の討論でも,建設的なご意見をお願いします。

1.趣旨説明(9:00〜9:10) 國崎貴嗣(岩手大学農学部)
2.話題提供(9:10〜10:40)
 「中・低密度で植栽された広葉樹人工林における18年間の林分成長特性」 國崎貴嗣(岩手大学農学部)
 「ケヤキ人工林における樹形の変化と樹幹成長」 上野 満(山形県森林研究研修センター)
 「広葉樹植栽試験地の成績から推定される樹種特性と育林上の諸課題」 和田 覚・長岐昭彦(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
3.休憩(10:40〜10:50)
4.コメント 杉田久志(森林総合研究所東北支所)
5.討論(11:00〜11:30)

コーディネーター&連絡先
國崎貴嗣(岩手大学農学部)
〒020-8550 盛岡市上田3-18-8,Tel&Fax:019-621-6279
E-mail:kunisaki@iwate-u.ac.jp

テーマB 8月20日14:00-16:30,201講義室(3号館2階)
ナラ枯れ被害で分かってきた事,これからする事

1990年以降,日本海側の地域を中心にナラ類集団枯損被害(以下:ナラ枯れ)が発生しており,増加拡大傾向にある。東北地方では,山形・福島に加えて2006年には秋田県に被害が拡大した。ナラ枯れ被害に関する研究は,これまで1)被害の原因究明,2)被害防除法の開発が併行して進められ,一定の成果を残しながら約15年を経過した。ナラ類が多く生育する東北地方の森林にとってナラ枯れは林冠消失の危惧も予想されていることから,1日も早い被害の終息に向けた成果が求められている。
今回のセッションでは,これまで多方面に渡ってナラ枯れ被害について研究してきた演者らが,被害の基本的な情報や機構,被害軽減や被害防除(駆除や予防)に結びつく課題についてとりあげ,ナラ枯れの研究で明らかになった事と今後の被害防除への研究成果の応用を考えながら,効率的かつ実現可能なナラ枯れ対策について検討する。

1)はじめに:これまでの日本での被害の経過と被害対策  齊藤正一(山形県森林研究研修センター)
2)ナラ枯れ被害をGISで解析 野堀嘉裕(山形大学農学部)
3)被害先端地からの被害報告 長岐昭彦(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
4)ナラ菌の特性とカシナガ穿入数による枯死様態の違い 市原 優(森林総合研究所東北支所)
5)ナラ枯れ被害防止に関する数理モデル 藤田和幸(森林総合研究所東北支所)
6)今後の防除法の展開 齊藤正一

コーディネーター&連絡先
齊藤正一(山形県森林研究研修センター)
〒991-0041 山形県寒河江市大字寒河江丙2707
Tel:0237-84-4301 FAX:0237-86-9377
E-mail:saitoshoi@pref.yamagata.jp

テーマC 8月21日9:00-11:30,202講義室(3号館2階)
自然な木造住宅の建て方を考える −スローシェルターを支える建材・技術・職人−

 地域産の木材などの自然な建材,伝統的な建築技術,そして建築技術者である建築職人は,自然で安全かつ健康な住宅(スローシェルター)の三つの必須要件である。本セッションでは,先ず報告者が,これらを踏まえた間伐材の活用に関する技術(構法),現在の高気密・高断熱住宅の問題点とその解決方向,そして建築技術を支える大工・工務店の技術と経営の現状及び振興策等について明らかにし,一定の問題提起(提案)をする。次に討論を通じて,安全で安心かつ安価な住宅供給のあり方と林業振興の方策についても議論を深めたい。
報告(報告15分、質問5分)
1.間伐材を活用した合成部材とユニット化の研究(増田建築構造事務所 増田一眞)
2.地域木材の家づくりによる持続可能な住宅供給システム(川田建築設計事務所 川田季彦)
3.愛媛の杉を使ったまちづくりについて(和田建築設計工房 和田耕一)
4.顔の見える木材での家づくりの生産的特徴(東北職業能力開発大学校 平野直樹)
5.「越後に生きる家をつくる会」での山を守る取り組みについて(新潟職業能力開発短期大学校 村尾欣一)
6.木造建築の変容と工務店の在り方−山形県田川地域の事例−(山形大学 菊間 満、盛岡市在住 船水美里)
討論(30分)
コーディネーター&連絡先
菊間 満(山形大学農学部生物環境学科森林環境資源学講座)
〒997-8555 鶴岡市若葉町1-23  Tel:0235-28-2924(菊間研究室)
E-mail:mkikuma@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp

ポスターセッション

今年度も2日間に分けて実施します。セッション開始時間までにご自分の番号のパネルにポスターを貼ってください。また,コアタイムでは発表者はポスターの前で説明をして頂きます。

ポスターセッションA(1日目)

8月20日(月)10:30 - 13:30 101・102講義室(3号館1階)
9:00 - 10:30 ポスター準備
12:30 - 13:30 コアタイム
13:30 - 14:30 ポスター回収
1 津軽半島のヒバ天然生林の成立過程(T)−齢構造と直径成長変動− 森澤 猛(森林総合研究所東北支所)
2 スギ皆伐跡地の植生と広葉樹林化の実態 和田 覚(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
3 スギ人工林における広葉樹の更新に適した施業案−光環境をその指標として− 林 直哉(山形大学農学部)
4 降積雪環境の変化と森林造成における積雪地帯区分 小野瀬浩司(山形県森林研究研修センター)
5 マツ枯れ跡地における広葉樹林の成立条件 志斎和貴(山形県森林研究研修センター)
6 岩手県滝沢村における高齢コナラ二次林の林分構造 田中一登(宮城県林業試験場)
7 コナラ種子の乾燥・浸漬が出芽と芽生え発達に与える影響 齊藤香菜(岩手大学農学部)
8 サワグルミの種子サイズのばらつきの至近要因 越智温子(山形大学農学部)
9 谷地幅湿地における草本類保全のための基礎的研究 平 俊太郎(山形大学大学院農学研究科)
10 谷地幅湿地への木本類侵入に関する時空的研究 土門謙太郎(山形大学農学部)
11 個体の開花履歴からみたブナ林の豊凶現象と種子の生残 大山智子(山形大学農学部)
12 ブナの雪圧耐性に関連する樹種特性−根系の発達過程− 若木 央(山形大学農学部)
13 ブナ林における結実豊凶と葉の生産量及び形質について 寺田浩隆(山形大学大学院農学研究科)
14 山形県におけるブナの豊凶予測の構築に向けた基礎研究 松井太郎(山形大学農学部)
15 高倉森ブナ林の遺伝的多様性と親子関係の推定 鈴木裕貴(弘前大学大学院農学生命科学研究科)
16 ブナにおけるMYBファミリーの解析とその発現特異性及び非中立的遺伝マーカーとしての可能性 松田修一(岩手大学連合農学研究科)
17 風景写真のフェノロジー解析による植生図の作成   星野敏宣(山形大学農学部)
18 林地で使用可能な樹木細根サンプリングシステムと測定例 白旗 学(岩手大学農学部)
19 スギ樹冠部各位置の針葉の窒素濃度季節変動と受光量 大久保善文(岩手大学農学部)
20 精英樹のアレルゲン(Cryjl)含量と花粉症対策の効果 渡部公一(山形県森林研究研修センター)
21 ブナ二次林からの種子採取方法の検討 宮下智弘(森林総合研究所林木育種センター東北育種場)
22 新たなマツのクローン増殖法−さし木と異なるつぎ木苗からのクローン増殖法の試み−渡邉次郎(福島県林業研究センター)
23 周囲の環境が異なる3地点でのマツ花粉のモニタリング 小澤 創(福島県林業研究センター)
24 東北地方の日本海側および内陸部における渓流水質の形成要因 志知幸治(森林総合研究所東北支所)
25 ナラ類の集団枯死から発生する根返りによる崩壊地の形成     稲田瑛乃(山形大学農学部)
26 秋田県中央部の海岸クロマツ林内に植栽した広葉樹の初期成長 金子智紀(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
27 砂丘前線部への播種によるカシワの導入  田村浩喜(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
28 丘陵地域に残る自然景観の稜線保全方法のこころみ 松山正將(東北工業大学工学部建設システム工学科)

ポスターセッションB(2日目)

8月21日(火)9:30 - 12:30 101・102講義室(3号館1階)
20日14:30 - 17:00または26日9:00 - 9:30 ポスター準備
11:30 - 12:30 コアタイム
12:30 - 13:00 ポスター回収
1 育林放牧の実践−林業および畜産における労力削減効果の検証− 佐久間 崇(山形大学農学部)
2 高齢林分を含んだ場合における林分因子の相互関係−秋田スギ人工林のD-N関係とD-H関係− 西園朋広(森林総合研究所東北支所)
3 「やまびこ」の反射位置の特定 志野隼人(山形大学農学部)
4 森林はどんな音を奏でているのか(T)−年輪画像からWAVEデータ抽出の試み− 瀧 誠志郎(山形大学大学院農学研究科)
5 デジタル画像解析による樹木の葉色フェノロジー測定について 荒井雄樹(山形大学農学部)
6 推移行列によるブナ二次林の樹高分布の将来予測 安田一也(山形大学大学院農学研究科)
7 2007年に急速に拡大したマルバマンサクの葉枯れ被害 田中功二(青森県農林総合研究センター林業試験場)
8 スギの枯死雄花から分離された菌類の病原性 窪野高徳(森林総合研究所)
9 ボーベリア菌培養不織布を用いた松くい虫駆除試験 水戸辺栄三郎(宮城県林業試験場)
10 ナラ類集団枯損被害地の解析と今後の被害地予測 三田さや子(山形大学農学部)
11 ナラ枯損被害地におけるカシノナガキクイムシの穿孔数とミズナラ萎凋の関係 市原 優(森林総合研究所東北支所)
12 ヒバ試験採種園で発生したアスナロモンオナガコバチ 矢本智之(青森県農林総合研究センター林業試験場)
13 くん蒸剤によるナラ枯れ伐根に生息するカシノナガキクイムシの駆除 在原登志男(福島県林業研究センター)
14 もとの交配因子組成と異なる白色系ナメコの作出(U) 三河孝一(山形県森林研究研修センター)
15 トンビマイタケの発生特性 鈴木基修(山形県森林研究研修センター)
16 庄内海岸林内のニセアカシア材のキノコ栽培への利用 中村人史(山形県森林研究研修センター)
17 乾シイタケ栽培用自動散水装置の試作 小原孝文(岩手県林業技術センター)
18 ムラサキシメジの露地栽培における菌床埋め込み適地の検討 古川成治(福島県林業研究センター)
19 林床整備を行ったアカマツ林におけるキノコ相の推移 阿部 実(秋田県農林水産技術センター森林技術センター)
20 高齢間伐林分における小型ハーベスタによる伐木造材作業の分析 麻生臣太郎(岩手大学農学部)
21 車道用路盤材への木材チップ利用の試み(その2) 多田野 修(岩手県林業技術センター)
22 宮城県産スギによる構造用集成材の製造 大西裕二(宮城県林業試験場)
23 スギ丸太から発生する樹皮量の推定 水田展洋(宮城県林業試験場)
24 山形県産スギ材の強度性能 福島弘幸(山形県森林研究研修センター)
25 秋期におけるスギ丸太の葉枯らし乾燥効果 東野 正(岩手県林業技術センター)
26 天然系塗料成分の促進劣化試験−キリ油とエステルガムの配合− 遠藤啓二郎(福島県林業研究センター)

口頭発表

8月20日(月)13:30 - 17:00 202講義室(3号館2階)
 口頭発表は1題あたり15分(発表12分,質疑3分)厳守でお願いいたします。発表者には次の発表者の座長をしていただきます。使用できる機材はOHPと液晶プロジェクターです。パワーポイント用ファイルは,13:00までにUSBフラッシュメモリあるいはCD-ROMの形で会場の係にお渡しください。なお,会場のパソコンは,OSはWindowsXP,PowerPoint2003以降の予定です。パソコンの持ち込みはお断りいたします。
13:30-13:45 要防除木特定のためのマツノマダラカミキリ生息確認調査 中村克典(森林総合研究所東北支所)
13:45-14:00 治山砂防魚道の実態と水理模型実験による検討 井良沢道也(岩手大学農学部)
14:00-14:15 ジベレリンペースト剤によるヒバの着花促進 織部雄一朗(森林総合研究所林木育種センター東北育種場)
14:15-14:30 ヒバ芽生えの成長が遅い理由について 橋本良二(岩手大学農学部)
14:30-14:45 変温条件とヒートショックがニセアカシア種子の休眠打破に与える影響 小山浩正(山形大学農学部)
14:45-15:00 カラマツ人工林における強度間伐・地掻きによるウダイカンバの更新 −間伐14年後の状況,カラマツ抜き伐りの顛末− 杉田久志(森林総合研究所東北支所)
15:00-15:15 スギ造林地のスギ・ヒバ混交林化へ向けた取り組み 尾上好男(東北森林管理局森林技術センター)
15:15-15:30 全天空写真から推定した林冠閉鎖度と林内相対日射量との関係 齋藤武史(森林総合研究所東北支所)
15:30-15:45 逆数式による個体呼吸の新たなスケーリング 森 茂太(森林総合研究所東北支所)
15:45-16:00 安比ブナ二次林における純一次生産量の8年間の変化 星野大介(森林総合研究所東北支所)
16:00-16:15 北緯40°周辺の森林づくりを考える−岩手山南麓の人工林− 海沼武一(岩手県林業改良普及協会会員)
16:15-16:30 しな織生産の推移と現状−鶴岡市温海関川の事例− 神田リエ(山形大学農学部)
16:30-16:45 国有林優越地域の林業構造の変貌と林業事業体の対応 −青森県西津軽地域を事例として−伊藤幸男(岩手大学農学部)
16:45-17:00 今日の林野行政下における小規模森林組合の研究 矢島卓臣(山形大学農学研究科)

大会運営委員会

青井俊樹(岩手大学農学部:委員長),大谷博彌(山形大学農学部),三浦直美(山形県森林研究研修センター),鈴木健治(山形県森林研究研修センター),立川史郎(岩手大学農学部:事務局),白旗 学(岩手大学農学部:事務局)

大会会場案内図

会場への交通
【JR鶴岡駅から】 徒歩15分,タクシー5分
【仙台方面から】仙台駅前(広瀬通)から鶴岡・酒田行き高速バス(予約制)で「鶴岡エスモール」下車 徒歩10分(一部停車しないバス便もあるので乗車前にご確認ください)
【山形方面から】山形駅前から鶴岡・酒田行き高速バス(予約なし)で「鶴岡エスモール」下車 徒歩10分
【庄内空港から】路線バスで「鶴岡」行きに乗車し,「東京第一ホテル鶴岡前」(終点)下車,徒歩10分。タクシーで約20分

大会に関する問い合わせ先

〒020-8550 岩手県盛岡市上田三丁目18-8 岩手大学農学部共生環境課程内
東北森林科学会 第12回大会運営委員会事務局
TEL & FAX 019-621-6140(立川),019-621-6141(白旗)
E-mail:tatukawa@iwate-u.ac.jp,sirahata@iwate-u.ac.jp